2007年6月1日

HIV検査は強制されるべき?

「アフリカでは誰もがHIV検査を受けるべき?」そんな興味深い問いかけが、
BBC Africa Newsに掲載されていました。


記事によると、

This week the UN said countries with HIV epidemics should carry out HIV tests on everyone attending health centres unless they 'opt out'.
国連(WHO)は、HIV感染が広がる国では、本人が拒否しない限り、医療機関に診察にくる人すべてにHIV検査を受けさせるべきだと発言した

Issuing new guidance, the World Health Organisation said 200 million people could benefit from the policy.

WHOによると、この新しい方針により、約200万人が益するとのこと

Currently 80% of people infected with HIV in areas such as sub-Saharan Africa do not know they have it.

サブサハラアフリカでは、HIVに感染している人のうち80%が自身の感染を知らないのが現状だ。


とのこと。
これについて、全世界から様々な意見が寄せられていました。

代表的なものを、

From my experience in Uganda if HIV testing is not made compulsory, very few people will test voluntarily.

People that are willing to test have done so by now! Any adult that has not tasted will not do so voluntarily.


Balaam Bamwenda, Kampala

HIV Tests should not be made compulsory. This will be tantamouint to gross violation of the rights of patients. Would we want to perpetrate human rights violation in order to fight HIV/AIDS? I am very sure this will not go down well with human rights activists.
Making HIV tests compulsory in hospitals and health center will go a long way to only scare patients away from them.
I will suggest more regorous campaigns to sensitise people on the need for voluntary counselling and HIV testing.


Solomon Tembang, Limbe, Cameroon

Yes, HIV tests should be mandatory for all. However, the results thereof should be kept confidential with a view to erase the stigma attached to it.
Aziz Merchant, Fremont, United States

blog it


アメリカ合衆国をあはじめとした欧米諸国から、アフリカ各国に至るまで、
賛否両論の反応がありました。個人的には、管理される場所としてのアフリカ
という偏見が混じった意見があったり、自分が滞在したアフリカの都市からの投稿
があったりと、興味深く意見を見てました

議論のポイントとして、

<賛成派>
・VCT(自発的な、検査とカウンセリング)だと多くの人がいかない
・ステータスを知ることが何よりもHIV対策には重要。
・意識・知識が少ない人々が多く、彼らには適切
など

<反対派>
・いまだ差別・偏見が強く人権侵害のような事態が起こりえる
・治療・サポート体制が整っていないため早急だ
・本人の意識の問題もありVoluntary原則から離れてはいけない
など

私個人としては、この政策は極端だと思います。
HIVをはじめSexual Health に関することは「自己決定」の問題であると
日ごろ考えているので、現在のVCT原則、つまり行きたくなったら検査にいくという
ことが適切だと思います。

加えると「決定」に至るまでには、十分な情報を得たうえで本人にとって合理的な判断が
できるような状況に持っていかなくてはならないという前提がここにはあります。

その意味で個人個人が十分に情報へアクセスできるような環境整備を政策として推し進めていくことが
望ましいと思います。ただこの方針がこれまで進められてきたのに、いまだに劇的な成果が出ていないと
いうジレンマがWHOにあるのかもしれません。

アデオジャパンの本部ADEOのプロジェクトには、
"Helping Youth Make Informed Choice" というキャッチフレーズが掲げてあります。
私はこのフレーズが好きですし、日本でのアデジャパの活動もこのスタンスで展開しています。

最後に、この問いかけが日本でされたらどのような反応があるのでしょうか?

「HIV感染が広がる日本ではHIV検査を全員に義務付けられるべき?」

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