2007年8月2日

難民映画祭:ウガンダ北部の悲劇

どうもいよいよ8月になり、夏真っ盛りな雰囲気ですが、
暑さに負けずアデオジャパンも秋に向けたイベント準備で大忙しです。

さて先週のことですが、
国連高等難民弁務官事務所(UNHCR) 駐日事務所が実施する
第2回難民映画祭を見てまいりました!

僕が見た映画は、「立ち上がれウガンダの子供たち- Uganda Rising-」。

clipped from www.refugeefilm.org
Refugee Film Festival

立ち上がれウガンダの子供たち *


原題: Uganda Rising
監督: ピート・マッコマック、ジェス・ジェームス・ミラー
カナダ(2006)
82 分
音声: 英語

ウガンダ北部では、20年も内戦が続いていた。国際社会から忘れ去られたこの土地で、戦火の中で生きることに慣れてしまった平和を知らない子ども達は、たくましく生きている。これはウガンダの真実の物語である。

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以下は英語版ですが、公式HPです。















「アフリカの真珠」と評されるほど、自然が豊かな国ウガンダ共和国。
その北部では、約20年にわたる内戦が続いています。

神の抵抗軍(LRA)
という反政府軍とウガンダ政府軍による武力衝突の一方で、
LRAによる北部の一般住民の殺害や襲撃などの残虐な行為が、
地域に大きな陰を落としています。

襲撃によって村を追われた人々は、難民と同様に「国内避難民(IDP)」として
国内のより安全な地域を求め移動し、キャンプ地域を作ります。
しかしそのキャンプもまた襲撃の対象となってしまうことも多々あります。

「LRAによる被害の中でも子供に対する犯罪は特に深刻で、
子供を拉致し、強制的に少年兵にしたり、性的搾取をしたりして
国際的な非難をあびている。」(Wikipedia

子供たちは、LRAによる襲撃から逃れるために、
毎晩毎晩住んでいる村から、安全を求め近くの市街地まで
暗い中を歩いていきます。
そのためグル市(Gulu)の街では、多くの子供たちが
お店の閉じたシャッターの前で束になって寝ている光景がそこら
じゅうで見られます。以下のサイトでは、その子供たちの写真が
見られます。















また一方で、その住民の殺害方法や拷問のやり方は残虐を極め、
映画の中でも耳と唇をそがれた女性のインタビューが収録されています。

clipped from news.bbc.co.uk

LRA victim: 'I cannot forget and forgive'
LRA victim, John Ochola
Following recent comments from Lord's Resistance Army rebel leader Joseph Kony in which he denied committing atrocities, Ugandan John Ochola, 25, responds by telling his story. He was abducted by rebels from his village, Namkora in northern Uganda, which was attacked in February 2002. During the attack 50 people were axed to death and he was one of 35 abductees.

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この映画「立ち上がれウガンダの子供たち」では、
LRAと政府軍による内戦によって深く刻印された傷跡を
リアルな映像とともにあますところなく紹介しています。


正直、見るに耐えない映像も多く見ていてすごいつらかったです。
ウガンダをはじめアフリカにはちょくちょく行くこともあることもあり、
自分の友達が巻き込まれたらと考えたら、腹がグルグルするような
気持ち悪さを感じました。

何よりこのLRAによる襲撃が起こっている地域は、
僕が2003~2004年にかけて滞在していたウガンダ北部モヨ
(ADEOのオフィスがある)に結構近かったりします。

当時からこのLRAについては、新聞での報道をはじめ
話をよく聞いていたこともありましたが、これほどまでとは想像できませんでした。

日本にいる限り、決して知られることのない、
報道されることのないこのような現実の話を真摯に
語り伝えていくことが必要だと切に感じております。

国内避難民
遺児
少年兵
レイプ
女性の性的搾取
虐殺行為
リンチ

想像を絶するようなあらゆる人権侵害が起こっています。

ウガンダは、農産物が豊かでさまざまなフルーツがとっても
おいしく、水資源も豊富な本当に素敵な国です。
そして首都のカンパラは治安もよく、飲み屋やクラブが
充実のとっても素敵なところです。

大好きな国だからこそ、このような悲しい現実が改善することを
祈り、自分に何ができるか考えていきたい、そう思うばかりです。

最後に僕が大好きなウガンダのアーティストChameleon の歌を
ご紹介します。「Dolitia」。クラブでこの歌にあわせて踊り狂った
あの楽しい思い出にのせて。

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